夏の雨にぬれる解答用紙

かいぬしおかえり

今日は一日雨だったね

昨日の暑さを洗ってくれてるような雨だね


おっ かいぬしおかえり

疲れたかな

ぼくは疲れ知らず

今日もピリカ隊のくんれんを

しっかりやったんだよ

雨なんかしるもんか

            ぷぷぷ



幸せを10個挙げなさいと

テストにでた

解答用紙にすらすらといくらでも

幸せを書き連ねることができた


不幸を10個あげなさいと

テストの2枚目にでた

先の解答を一つずつ

反証していけばいいのだろうが

しっくりこなかった


幸せの条件を満たしてないからといって

それを不幸とまで言わなくてもいいきがする

いいかえるならば

「不運である」

といったところ


それは

ぼくらだけのものでありたい

ふしあせですらも

だれかのせいにはしたくない

ぼくらだけに誂えられたものなのだ



ところでこんな雨の日は

『右手だけ妙に長い男』が

傘をさしてあるいてる

(君も会ったことあるかな)


落ちてしまったひなを

この右手で巣にもどしてあげるよろこびがあるが

右手がみんなと同じ長さに戻ったとしても

それは不幸ではないと

『右手さん』は静かにわらった


ぼくらの街に『右手さん』がいることは

しあわせなことだけれど

『右手さん』を失っても

ぼくらは不幸にはならない


ただちょっぴり

傘のない雨になみだをごまかすことは

あるかもしれない