おおきなことばをいっこだけ
ちいさくきみにつたえようとして
たよりなくそっと
揺れながらのぼる
あわ あわ
水面ではかなく
ぱちりとはじけて
あたしのくちびる
ぱく ぱく
はかなく最期をむさぼって
空と水底のちゅうかんあたり
不確かで
曖昧な
重さと軽さのさかい目のぶぶんに
よこたわって
きみをみながら
水はこんなに透明なのに
あたしは
不透明なものになっていった
せんせい。
ぼくの、きんぎょ、しにました。
ぼく
はらぺこみどりむしをカミカミしてやった
ぷぷぷ
ぼくのももひきまる見えだね
ガラス棚にいくときは
だいたいおにいちゃんが上段ってきまってる
どうしてかわかる?
おにいちゃんのおちりが
よくみえるからだよ
ぷぷぷ
ぼくのおちりをみているピリカのおちりを
みているのはかいぬしだよね
ぷぷぷ