鼻がなるひと

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鼻をふがふがしながら

さっきからずっと後ろをついてくる人がいる

きみは苦しんでいるのか

それとも笑いをこらえているのか

ティッシュならあるよ

いや

それ

いびきなのかな


きみは寝ているんだ

これまた随分と

眩い夢をみているものだ

人々の清廉な白い服

輪郭が目に突き刺さる

横断歩道は浮き上がりすぎて

梯子から足を踏み外しそう

影は反動で真っ暗

落とし穴のように人を狙ってる


こんなにきけんな世界の中で

きみはふがふがと鼻をならして

捕食から逃れるように

人ごみにまぎれて

心に蓋をして歩いているんだろ

くらくらするようなまぶしさの中で

あらわにされてしまう孤独を

鼻腔の奥にすすりあげながら

歩いているんだろう


そうかきみは

後ろをついてきてるわけではなく

ぼくら単に

向かう方向が同じだっただけなのだ

同じ道を

同じ歩幅で

ややもすると同類に分類される

孤独なぞ肩にせおって

歩いているだけなのだ


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ピリカ

かみかみしているそれはね

余白というものですよ


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すっかり涼しくなったね

窓からはいる風の匂いが

やっぱり秋の匂いがしてしまうね

さっき茂みから

虫の声がしていたよ

            ぽぴ


秋になるとカラスの声が響きやすいのは

なぜなんだろう

ミルクティーが薫りたちやすいのは

なぜなんだろう