君の休日の朝

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今日きみにはいつもと同じ朝が来て

いつもと同じ朝なのに

胸のあたりがきしんでいるなと思いながら

トーストが焦げる

そろそろ髪切らなくちゃいけないと

鏡に向かえば口元のあたり

無理して笑った分の残骸がはりついてる


今日は何しよう

何の予定もないから

何もせずゆっくり休もう

今日の予定もないが明日の予定もなく

その先に続く未来も空白に思えて

青空に手を突っ込んで

かき混ぜてしまいたいような気分だけれども

青空のうちに洗濯しよう


不意にこどもの頃の夢を思い出して

クラスの一体何人がそれらを叶えたのか

考えたてみたら

世界中のあちこちで

叶わず消えた夢が無数に吐き出されているような気がして

なるほど人は痛みをかかえると

息をとめてこらえてしまうものだから

呼吸法やら流行るのかしら

吐き出すって確かに大事かも

ではではこの脱水機ががたごた仕事を終えるまで

ずっと息でも吐いていようと

すーはー深く呼吸をしてみれば

なんだろうこの気持ち

夢にも後ろ姿というものがあって

それをお見送りしてるような

厳粛な気持ち

ちょっと泣いて見てもいいけれど

口から万国旗が出てくる手品のように

一粒の涙が

次々と後続のやつらを引き連れてきそうで

ティッシュの無駄遣いはしたくないから

泣くのはまた別の機会にして

真っ白に洗いあがった洗濯物を

青空に干すことにする




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早春の青空

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にょきにょきピリカ