どの季節にも
どの時間にも
どの瞬間にも
美しさは顕在していて
ぼくはふと
それを全部みておかねばならないと思った
あたかも
今見ておかねば
いけないものででもあるかのように貪欲に
もう今日のぼくは
あすのぼくとは違うから
今日道を彩どって
明日には炉に投げ込まれる葉たちを
今日優しさで開けて
明日以降不在票しか届かない毎日を
今のぼくのままで
逃さず捉えてやろうと思った
昨日とは違う今日に
さよならはいつも積み重なる
ぼくら丁寧にそのことばを
折りたたんで
本のページに差し込んでおくよ
ああ消えてしまった
ありがとうが届かない場所へと