1日のいちばんいい時間は朝だと
多くの人は言うけれど
ぼくらは日没を静かに
見ているのが好きだ
夕陽を浴びていると
ぼくの艶やかな羽毛は少し金色を帯びて
ぼくの虹彩も金褐色に輝いて
ぼくの存在を確かなものにする
光の中に溶け消えてゆくような
儚い曖昧さや脆さとは正反対に
力強く 太陽の残照に
ぼく、今日を生きましたよと
報告してみたよ
昨日ピリカがいっていた
夕陽のずっと向こう側から
誰かのおはようが聞こえるって
連綿と続く別れと
再会の彼方で
春の喜びに満ちた
僕らの歌を太陽が持っていってしまったが
遠くの遠くで目を覚ますだれかの手足を
今 ぼくらが送り出した太陽が
あたためてくれているんだろう
遠くの遠くで寝返りをうつだれかの
耳の後ろあたりを
愉快なぶんちょの二重唱が
くすぐっている頃なんだろう
完璧すぎる一輪挿しをもっています
どの花を活けても
花瓶に負けてしまうのです
だから、花瓶にはこうして時々
夕陽を詰めておきます
この気泡の入り方なんて
美しすぎます
あ....
ピリカのお胸の雪ん子模様には
かなわないよ!
きゃるる