君にだけ教えてあげるね

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君の心にある沢山の扉の一つを

孤独がおずおずとノックするとき

躊躇なく「どうぞお入りくださいな」と

言えるだけの潔さと好奇心を

もしも君が持つのなら

ぼくは君にだけそっと

教えてあげたいページがある


「星の王子様」の44ページを開いてみて

どのページもその時々君を打つだろうけど

このページは特別なの

君の寝室の壁に山は影絵を描いて

ほんとうに見知らぬ星に

不時着してしまうことができる

山のてっぺんから君はきいてみる

「ぼくはどこですか

 ぼくはどこですか」

こだまがこたえてくれるんだよ

「君はここですよ

 君はここですよ」


根っこなしに生きるなんてかわいそうねって

花の笑い声まで聞こえてくるだろう


山のてっぺんで君は

花と一緒にげらげら笑ってもいいし

心に迎えいれた旧友と

お茶を飲みながら

1日のもっとも素晴らしい時間の訪れを

待ち続けてもいいんだ



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