昨日かいぬしのお仕事お休みだったから
もう一日中べったり一緒にいた
一緒に毛布で巣篭もりごっこして
一緒にお歌うたって
一緒にご飯食べて
一緒に絵本を読んで
星の王子様について考えたりしていた
大切な特別な愛するたった一つのバラが
地球に来てみたら
そこらじゅうにありふれた
なんの変哲もないバラの一つであったことを知って
泣いてしまった王子様について
ぼくら話し合った
やがて王子様は知るからね
バラがやっぱりたったひとつしかない
唯一の大切なものであること
たったひとつのちいさな存在が
いのち全体を慈しむ大きな意味に変わること
そのあとぼく
満足して寝ちゃったけど
かいぬしの左手には
いつまでもほんのりぼくの香りが残っていたんだって