ぼくの街の中心部の公園は鳩がいっぱい
噴水脇のベンチで何が食べてたら
食べ残しを狙って
恐れることなく近づいてくる
その中でひときわ鳩にまみれてるおじさんがいるんだ
秘密はね、ポケットにしのばせたドッグフードなんだって
病原菌とか過剰繁殖とか
いろいろ餌付けがダメな理由がある
おじさんはでも小さなハサミで
翼や足に糸がからまって壊死しちゃう
子たちを助けるのが自分の使命なんだって
足のない鳩さんが
おじさんの胸に頬をすり寄せて寝ている姿は
それはそれで微笑ましい
(餌付けの賛否はおいておいてね)
どんな鳥さんも
怪我することなく元気でいてほしいもの
その小さな小さなハサミで
かいぬしはむしろ
おじさんの鼻毛を切ってあげたいなって
うっすら思いながら帰ってきたんだって