とくにタイトルが思い浮かばない金曜日

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「正義」を太陽に透かしてみたら

「ごめんなさい」と書いてあった

長らく騙し続けて悪かったと

簡潔に詫びてあった

 なるほどそんな詐欺に踊らされて

 人を傷つけ

 時に奪われ

 虚しく争っていたのか

 勝ちのこない戦いの場で失い続けていたのか

「正義」は申し訳なさに

このまま白日の元にさらされて

晒され続けて色褪せてしまえないものかと

うつむいていた


高額に見せかけて

飾りたてられたショーケースのなかで

「幸せ」は恐れていた

良心の呵責に怯えながら

どうか自分をリボンがけなどしないで欲しい

万人の期待になど到底

応えようもない無力さを

穴のあいたポケットにでも乱暴につっこんで

せめてこぼれ落ちるチャンスを逃すまいと

狙いつづけていた


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ピリカのお風呂を盗撮

今日は気温があがったからたくさん水浴び


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ぼくは換羽がだるくって

お気に入りのガラス棚で

うとうとお昼寝ばかりしていたよ




 

夕陽当番

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         (ぴっちゃん)

オレンジ毛布のようにあたたかい

夕陽の粒子

ぼくの羽を優しく撫でてくれてるから

この時間ぼくはすぐ眠くなる

かいぬしと二人

静かに夕陽をお見送りしていると

時々夕陽は悪い冗談のように

空を地獄に変えてげらげら笑ったり

胸打つ余韻だけを残して

無言の後ろ姿で去ってゆく日もある

ぼくらは歌わず

ぼくらは語らず

ただそれぞれの思考の底を流れているものを

分かち合っている

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        (ピリカ)

夕陽がおにいちゃんの産んだ卵みたいだ

ぼくは静かに夕陽を見てられない

夕陽からのびる金の直線も

雲のふちどりも

かみついてぎざぎざにしたくてたまらない

かみたりない

遊び足りない

待ってよ夕陽

ぼくのくちばしを恐れて

逃げちゃやだよ夕陽

ぼくはききたいことがまだまだあるんだよ

ぼくはまだ飛べないので

目の前を流れてゆくすべてのものを

かみついて引き止めたい時があるんだよ

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ぴっちゃんとは静かに夕陽を見ます

ピリカは少しもじっとしてないのですが

この時間は彼なりに

ぴっちゃんに夕陽当番を譲って

止まり木から神妙な顔をして

静寂を破らぬようにして

夕陽をみてます

でもかみつく隙をねらっているようでもあります 

ピリカちゃんいいお顔   ぷぷぷ


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学生の頃使っていた駅に

数年ぶりに降り立ってみたら

確かに風はいかにも冷たい

暗い階段登って地上に出れば

ここいらもずいぶん変わりましたね

知らない店の林立の中で

あらぬ方向からなだれ込んでくる懐かしさに

足元をすくわれそうだし

なんだか笑いたい

なぜあんなリュックサックを

気に入っていたんだろう

なぜあんなに幾晩も

寝ないで恋ができたんだろう

なぜミニスカートで自転車を

こぐことができたんだろう

なぜあんなに無邪気に強く

大人になることを受け入れられたのだろう

待っていてもどうせやってくる者たちに

早く早くと手をのばすことができたんだろう


逆走したいほどの過去もないが

未来からやってきた自分の亡霊の疾走感が

小気味良い

引っ張られるように今を生きるのも

悪くないじゃないか


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友達のおうちのオカメちゃん

とーってもかわいかった!

ぶんちょを見慣れている目には大きくて

翼も立派

ひとつひとつの羽も大きい

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ぼくの換羽で抜けた羽

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オカメちゃんの羽こんなに大きい

(ぼくのは1番右)

ぼくの羽の上にあるのは

オカメちゃんのあのオレンジほっぺ部分

レア羽をもらってしまった

うれしうれし

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オカメちゃん

           ぷぷぷ

風になるには

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風になるには今日は冷たすぎる

まだ逝くなよな きみ

もう見えないかい

足を止めて嗅いでいるそれは

つくしだよ

ロベリアはまだ先だ

ネモフィラもまだ当分かかる

今日の風はようやく

水仙とクロッカスがまじってる

関節の曲がらない君は

ぜんまい仕掛けのぬいぐるみのようだ

巻いたねじが止まる寸前のように

ゆっくりゆっくり歩をすすめる

そうだよ

そうやって

ゆっくり歩いておくれ

夕陽をゆっくり山の向こうに落とすのはきみだ

あらゆるものの影を長くのばすのもきみだ

明日の訪れを遠ざけて

夜を寝かしつけるのもきみだ

春があまりに若すぎて

きみが

風になるにはまだ早すぎる


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今日は17度近くまで気温があがり

ライラックの芽もふくらんだ

桜も例年より1週間ほど早く咲くらしい


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ピリカ

シードの殻いっぱいついてるよ

           ぷぷぷ


パセリを食べてみよう

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かいぬしっ

それなになに?

 一パセリです

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ぼく食べてみる!

どれどれ

むしゃむしゃ

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うーん

微妙だけどぼく食べれる

結構おいしおいし

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ピリカちゃんは?


ぼくやだ

匂いがやだ

形もやだ

近寄るのもやだ

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おにいちゃんよくあんなの

食べられるよね

なんでも食べるからでぶんちょなんだね

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........

モナリザさんのつぶやき

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好き勝手どうぞ

   高貴とか神秘とか

   エロいとかほのめかしてるとか

   気持ち悪いとか気持ちいいとか

いろいろ言ってくださって構わない

だって全てを既に含んでいるんだから


ダヴィンチの眼球を後ろから覗き込むようにして

私の秘密を暴こうと

謎解きに興じる方々は

見たいものを見たらいい

悲しい詩を読んで笑ってもいいし

生命讃歌を聴いた翌日に

首を吊りたくなってもいいし

正義で靴底の泥をぬぐっても構わない


全てを持っている者のように見えて

何も持ち得ない者にも見えるでしょ

欲深い女の飢餓を見れば

もう一切の執着を手放した

諦観の笑みにも見えるでしょ

対局にあるものはいつでも

互いを煽り合ってる

清浄で透明な朝が

混濁した夜をさらに濁すように

生々しく全てをとりこんだ

底の知れなさを見たらいい


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あけぐれの空をきりとって

虫の羽にとじこめたようなピアス

歩行空間の出店で買った

作家さんと直接お話ししながら買い物するのは

楽しい

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ぼく油断しててこのあとピリカに

しっぽ引っ張られた

換羽でイライラモードのぼくは

怒ってやった

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ぼくじゃありませーん

           ぷぷぷ

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心に穴があくって

どんな感じなんだろ

その穴からのぞいたら

何が見えるんだろ

その穴におおいと声かけたら

声はだれに届くんだろ

いっそ飛び込んでみて

どこへ続くのか探索してみようか


穴があいたら

心をずるすると

内側に巻き込んでいって

裏表逆にしてしまえよ

心は実はリバーシブル仕様で

ひっくり返った新しい面で

新しい空に向かって

ドヤ顔したらたのしいよ

「あのひとはうらおもてないいいひとです」

なんてだれも言うなよ

当面は裏面でいくんだよ

素面じゃ言えないけどね  


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穴って漢字ずっと見てたら

肩幅のうんと広い人が

大股で歩いてるように見えて仕方ない

この人も

この人の心を内側に巻き込んだまま

どこかへむかっているんだな

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ピリカちゃん

シードもうからっぽだね