走れそうもない

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耳を塞いで走ろうと思った

特別な言葉を聞いた後で

もう耳を縫い閉じて

それを閉じ込めてやろうと思った

奪われるわけにはいかないと思った

誰とも分かち合えない類の

崇高な孤独を目指して

その熱量で走るつもりだった

その効力の失われる限界域まで

行けると思った

(賞味期限より少しばかり長く走れると思った)


でも耳の奥とじこめられた言葉は

そこに大人しく安住することを拒み

内側から頭蓋を圧迫し続け

吹き飛ばそうと抵抗している

これでは走れない

縮んだ手足を空に向け

力尽きたことばの死骸を見つけるのも嫌だから

放ってやろう

より強靭な羽を付け足してやるから

飛んでけことば

今夜眠れないもののもとへ

明日を始めなければならない

すべてのもののもとへ


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なんかぼくに似てるから

かわいいと思って買ったものの

食べづらかったスイーツ

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似てるかなぁ

       ぷぷ


たまにはくそとか言ってみる

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こんな写真でごめんなさい

でもどこのおうちのぶんちょさんも

きっと同じことしてると思う

うんこした後じっと見ちゃうの

まぎれもなく自分がだしたものなんだけど

「なんじゃこりゃ」って

毎回思うんだよ

だから人間も

「なんじゃこりゃ」って思う理不尽さに

「なんじゃこりゃ」って思う不甲斐なさに

「なんじゃこりゃ」って憤りを

「なんじゃこりゃ」ってときほぐせない難問に

2文字に力込めて

「くそ」って言ったりするのかな

言い放ってみて

ちょっと胸がすいたりするんだろか


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キアヌ...チョップくん達にも不人気らしいよ

あ、また間違えた

キアヌリーブスといつも間違える

トマトジュースにはピコリンがいっぱい

  それリコピンです

小野マトペさんてどんな人?

ルサンチマンってどんなヒーロー?

メメントモリってどんな森?

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ねえピリカ

ぼくらにはまだまだ学ばねばならぬことが

いっぱいあるね

              ぽぴっ

怒れるピリカ

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ぼくピリカです

ぼく怒ってる

爪切り大嫌い!!

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ぷぷぷ

目をつぶってじーっとしてるうちに

すぐ終わるのにね

ピリカ怒りすぎだよ

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たくさん切って出血させるのが怖いので

ちょっとのびてきたらちょっと切るを

短いスパンで行っています

「ぴちぴちぴっちゃん爪切りぱっちん♪」

などど謎の歌を歌いながら

ぴっちゃんは全く動じず委ねてくれます

ピリカは大変な怒りようでした

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このやろこのやろ

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このやろこのやろ


沈鬱な雨降りでして

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幸せになりたかった

とてもとても幸せになりたかった

その人はただ幸せになりたかった


でもだめだった

届きそうなところでだめだった

手をのばした方向がずれていた


その人は生きていたかった

とてもとても生きていたかった

その人はただ生きていたかった


でも尽きてしまった

次の季節もその先も待っててくれなかった

何かをほんの少し見落としたばかりに


自由になりたかった

とてもとても自由になりたかった

その魂はただ自由になりたかった


なれるかもしれない

圧倒的質量で

魂を押し潰すほどに自由だけは

あるのかもしれない

思考の扉を通り抜けて

肉体を追い越して

幸せに手が届き損ねて尚

命がつきたその先にこそ



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かいぬしまたキヌアはいってるよ

ぼくシードの方がいいんですけど!

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ぼくもシードがいいー

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シードくれないからカミカミ

ピリカちゃん

甘噛みを覚えておくれ...

午睡

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それは素晴らしい午後だった

ぼくら3人で静かに身じろぎもせず

互いの呼吸を分け合っていたんだよ

ぼくの吐いた息をかいぬしが吸い

ピリカの吐いた息をぼくが吸う


ピリカゆっくりと目を閉じる

ぼくもゆっくりと目を閉じる

そんな動作の1秒がとんでもなく

長く引き伸ばされて

1秒の中にすべてが美しくおさまっていた

1秒がこれ以上ないほどに満たされていた

僕らはたぶん1秒が『永遠』に変身する瞬間に

立ち会っていたのだろう


ぼくらの体から白い糸が

ゆらりふわりとたちのぼり

ぼくらの頭上で手を繋ぎ始めた

やがてぼくらの体が燃えて

昇って行く煙の一筋のようでもあり

ぼくらのいのちが今この時この場所に

留まるための命綱のようでもあり

時間・種別・生死を問わず

あるもの全てが互いに

結び合うことのできる記号のようでもあった


ピリカゆっくりと目をあける

ぼくもゆっくりと目をあける

次の瞬間に到達するまでの

永い永い未知の1秒と目が合うと

「美」が衣を脱ぎ捨てて

惜しげもなく裸体をさらしているところだった



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ピリカまたぼくのシード食べちゃったでしょ

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ぼくしらなーい

キヌアならたくさん残ってるでしょ


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キヌア人気なし。

           ぷぎゅる


さとみさんの金木犀

f:id:bunchosparrow:20210411214343j:plainオスマンティウスというハンドクリームに

さとみさんが足を止めて

ああこれ金木犀

初恋の匂いだわと笑う


封筒に優しく想いを入れて

恋する人の心を覗き込むような

期待で郵便受けを開け閉めするような

スマホなんてない時代の話

ある日その少年は手紙に

金木犀を入れてくれたそうです

喜んだひとみさんのために少年は

級友にからかわれながらも校庭の金木犀を摘み

手紙には必ず押し花にしていれてくれたそうです


北国にはないその花のやや強めの芳香は

いつまでも消えることがなく

まるで恋する人の言葉ひとつひとつが

花のように咲いて

聞いたこともないその人の声が

なぜか耳に心地よく語りかけるような

堂々と背筋を正して想いを伝えつつ

最後の行でふと

照れて笑うような

夕焼けの校舎のわきを抜ける風をすこしはらんだ

そんな懐かしい文字に宿る香り


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お酒に桜を浮かべてみた


さとみさんとその文通少年の恋が

その後どうなったのかはわからない

今のご主人なのか 

とうに終わった淡ーい思い出の中の人なのか


聞いてみたい気もするけど

こういうのは聞かない方が美しい


文字で香りを伝えるって難しい

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ぼくの匂いは

若さと悪戯心にあふれた

ハッピーターンと焼きいもブレンドだよ


        ぷぷぷ

ゆっくりてきとうがいいんだけどね

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心はせいていて

いつでも肉体の二、三歩前を行ってる

肉体は置いてゆかれまいと

やや前屈みに早歩きする

心が導くのは一体どこなんだろと

肉体は訝しんでつぶやく

でも何か期待に包まれてもいる


心は咲いていて

この先も肉体を先導して走る

壊れやすい肉体の脆さより

尚傷つきやすい構造でありながら

だれかやなにかを風除けにすることなく

折れて尚咲こうとする強さを秘めてもいる


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ボトルに夕暮れの街が

さかさまに映ってた

夕暮れてのは沈澱せずに

浮かびあがるもんなんだね

たのしい

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かいぬし禁酒って言ってなかった?

いいんだよピリカ

今週はとてもがんばったし

土曜の夜だから

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ぼく見張っておく!


(この後視線を感じて何気にピリカのケージを

見たら、おやすみカバーの隙間から

本当にこちらを見てました...)