花火どんどこ

お外でどんどこはじまった

花火だね

どーんどーん

低く大きな音は胸で聴く

高く細い音は目尻のあたりで聴く


おっ

どんどこきこえてきたよ!

ピリカ隊の空砲かな


ピリカ隊にはいるためには

ぼくのカミカミ審査が必要なの

           ぷぷぷ


なんとなく空がこげくさいね


火薬はああして

みんなで夏を送るためにつかってほしいね

ああしてみんなで

もえながらおおきく枝垂れた夜を

そのあとにもどる静寂を

きれいだったねと

笑い合えることにつかってほしいねかいぬし

 



喧嘩ってエネルギーのぶつかり合いだとおもう

もうそんなエネルギーが残ってない時

そんな力を絞り出すだけの気力も残ってない時

脳はパチンと節電モードにきりかわる


あきらめたり

無になったり

すうーっと引いて自分本体の守りに入るのだろう


そしてたぶんこのスイッチを

とてもうまく使いこなす人は

かなしみにどっぷりおぼれることはなく

必要に応じて 小出しに

胸の奥にたまっているかなしみを

注ぎ出す術をもっていると思う