絵葉書

雑貨屋さんでアンティークの絵葉書を見てた

かわいらしい絵だなぁとふと裏を見たら

なんと実際に使用されたものだった

誰かが誰かを想って送った絵はがきを

見てしまうスリリングさもさることながら

消印の1957年という古さにも

ロマンを感じて買ってきてしまった

(呪いのはがきとかだったらどうしよう)


よくよく観察すると

ペンシルバニア州Markletonに住む

Mills夫妻にAltaさんが

ニュージャージーにあるフレデリック庭園から

送ったものらしい

出し忘れてなければカードより先に着きます

こっちでは楽しくやってるけど

土曜には帰りますね

みんなに会うのがうれしいな的なことが

書いてある


これを書いた人やもらった人はまだ

生きてるのかしら

というかなぜこの葉書がはるばる日本へ?

それもこんな北の街の雑貨屋さんへ?

とても不思議

いろいろな想像がかきたてられる

この時代には当たり前だけどスマホなんかなくて

デジカメなんかもなくて

誰かに見せたい風景なんかは

重たいカメラでピントをあわせて撮影して

そのあと謎の液にびちゃびちゃ浸したり

現像という過程を経てようやっと

見せたい誰かに届けられた時代

そのかわりにそっと見せたい景色のカードを

送って

実際に目にした景色の何分の1かでもいいから

お届けしたいなと切手を貼る時代


たとえば100年

なんかの偶然でだれかがぼくの写真を見て

うわ

この文鳥はとても頭がぶわわってなってるって

これはきっと撫でたらとても

気持ちいいに違いないなどと

想像をかきたててくれたらおもしろいね

           ぷぷぷ

100年後

誰かがぼくの写真をみて

うわ

この文鳥はとても強そうだぞ

かっこいいぞ

岩をも噛み砕くカミカミ隊長だ!って

怖がったらいいんだよ

            ぷぷぷ