そろそろみずかきができるんじゃないですかって
からかわれて
えへへうふふと笑って
指と指のあいだ見つめてみると
たしかにできあがっていた
ほんとうはね
まいにちまいばん
背中にはえてきたうろこを
ピンセットで抜いていたんだよ
にんげんのままでいたくて
どんな自分でいたいとねがっても
なるようにしかなれな夜がある
こころが否定するものを
からだが肯定してしまう夜もある
そんなときはただもう
泳ぐより仕方ないじゃないか
どこまでもまっすぐ
泳いでいける
君の目の中の残像で
なお泳ぎ進むぼくの
みずかきから
結晶化する銀の泡
おみかんちゅうちゅう
おいしいね
ピリカにはもうちょっと
ちいさくむいてあげないとだめみたい
かいぬし
ちゃんと食べやすくしてよね
ぷぎゅわ