その手は
逡巡ののち
慎み深くでも優しさのままに
さしだされる
かわりませんねと触れ合わす指の
ふしぶしに浮き出るとしつきの
おもたさがきざんだものはそれぞれに
なまえを覚えててくださって
ありがとうございます
おあがんなさいなと
変わらぬ笑顔でまねかれて
おばさんおなかがへりました
何かたべさせてください
おじさん歌ってください
あの歌がなつかしいのです
玄関の扉開けて
居間のみぎてにピアノが
その上の壁にミュシャが
左手のお台所の冷蔵庫の位置も
奥のお風呂の窓から
入ってくる風も知ってます
お元気そうでなによりです
この年月はいろいろと
ひとをかえてしまいました
だかしかし
てきびしい現実を
いきのびてここにおります
お庭のブルーベリー勝手に食べます
酸っぱさの奥の方で
余韻のように甘く
晩夏の味がいたします
オカメちゃんだよ
かわいいなぁ
いつも思うんだけど
どうしてほっぺをオレンジにしようって
決めたんだろうなぁ
これぼくたちすっごく
笑っちゃったの ぷぷぷ
だってあたまのアンテナ
Yになってるんだもん
ぼくたちも
オレンジほっぺとアンテナ
つけてもらったよ
たのしたのし