ことば代表者会議の席で
“しあわせ”は自分達が過大評価されていると懸念を口にした
双子の“不平and不満”は
まず会議席の椅子が小さすぎると指摘した
(ほんとはね、君らのお尻が大きくなっていってるんだよ)
“愛”は都合よく浪費されていることに
半分腹を立て 半分面白がっていた
“優しさ”は斜めむかいの席の
“赦し”の顔に疲れが滲んでいるのを
気遣っていた
“希望”は時に人を打ち砕く己の破壊力に
怯えつつも
自分が除名されるわけにはいかない理由を
なんとかまとめあげた
ぼくは傍聴席であくびをして
ことばたちがせめぎ合うのを聞いてたけど
なんか寝ちゃったんだよ
起きてみればまだことばたちは
互いを煽り合っているから
ひとつ空いている席に
“かわいい”代表で座って
自己紹介がわりに歌ってくるよ
ピリカのあごひげは
ぼくのちょびひげより立派だよ!