文鳥とお花って合うよねって
かいぬしとお話ししていて
ぼく造花の前でポーズとった
ぼくおやつも似合うけどね
ぷぷぷ
ピリカです
かいぬしだめです なんか落ちてます
そうじしたら良いと思います
えっ
これ
ぼくが落としたんですかいいえぼくじゃありませんけど!
ぷ!
(いいえピリカちゃんです)
ほうぼうで紫陽花が満開
ひょんなことから
おばあちゃんの帯を入手した
ピンク色の博多織の帯だ
実際におばあちゃんがそれを
使っているところは誰もみたことがないそうな
でも大事に
衣装入れの奥に仕舞い込まれていたらしい
もう折り線ががっちりついてしまって
その部分も色褪せてしまっていて
実用的ではないけれど
おばあちゃんの形見というものを
もらっていなかったので
今更ながら嬉しい
こんな乙女なピンクの帯を
大切にしまっていたおばあちゃんが
かわいらしくおもえる
記憶のおばあちゃんは
着古した白の割烹着で
いつも忙しく立ち働いていた
西陽の眩しい台所
10合炊きの炊飯器
鈍器のように刃の太い包丁
お醤油の一斗缶
ウニの汁で赤暗く染まってる籔
ぶらさがってる蝿とりリボン
戸棚の奥の肝油ドロップ
毛糸のドレスを着たキューピー人形
お鍋が噴く
古い柱時計の大袈裟な秒針
その秒針と秒針のすきまには波の音
浜でカモメが笑う
騒々しい浜
田舎の島の生活の中で
ひっそりピンクの帯をしまいこんでいた
おばあちゃんを思い出すと
口の中がもう
ハマナスの甘酸っぱさでいっぱいだ
今年の浴衣に
おばあちゃんの帯、しめてみようかな
ちなみに
蝿取りリボンがわかる人っているのかしら...
一度髪の毛にひどくからみついてしまって
おばあちゃんに軽く怒られながら
その部分の髪の毛を
切ってもらったことがあります
やんちゃなこどもならば誰しも
一回くらい経験あるんではなかろうか