まきこさんは
ひとりにしておけないわと
黒いタイツをはいて
歩いてきてくれたんだ
たくさん歩いたから
かかとが毛玉になったやつ
まきこさんの髪の毛
ちょっと赤みがかっているって
そのとき気づいたんだ
くろづくめの人々のなかで
そのあととんびが大きく旋回した
お茶で舌をやけどした
ポケットティッシュってこんなに
鼻を痛くするものだと知った
掬いようのない
空の青さに救われるって
駄洒落が
あの日は良く効いた
不透明なぼくらを
見透かしている様な今日の空に
君の命日を忘れていたことを
いいことのように思えた
あれが何という種類の
かなしみであったか
もう思い出せないことも
いいことのように思えた
今日から2月
北国だからまだまだ真冬を楽しめるけれど
うっかりしていたら春がきてしまう
冬のよろこびを
よろこび尽くさないうちに春がきそうで
まだだよまだ
マイナス10度の雪は
あしもとでぎゅむぎゅむと音をたててる
このへやでいちばんえらいのは
おにいちゃん
つぎはぼく
あとは全部ぼくのけらいだ!
ぷぷぷ
ぼくは今日もほかほかお昼寝
春の気配を遠のけながら
冬の真ん中であたたまっているんだよ
かいぬしのおててかまくらでね
ぷぷぷ