昨夜泣こうと試みて
まったくうまく泣けなかった
涙腺の筋力が足りないらしい
朝 怒りで目が覚めた
大股でどすどす歩いた
寒さが足りてない気がした
昼 鎮静化するさまを傍観
それでも配分を調整して
悲しみはきちんととっておこうとした
夕暮れ 怒りが消えた後に
疑問だけが残されていた
脳細胞がかなり死んだ
再びの夜 時計が発狂して
秒針が暴走した
もう泣きたいとは思わなかった
涙に変えるほどの誠意が欠けていたから
おにいちゃんどこー?
きょろきょろ
ここだよ
くすくす
こびとさんに見守れながら
おいしおいし
ボトルの中に夕暮れの街がおさまってる
グラス逆さまにすると
寺院の鐘みたい
鳴り響け
酔いを深める夜空に
恩寵にあずかる
すべての小さないのちのために