紅葉はいっきにすすんで
通りは色彩が騒がしい
落ち葉はかさかさかさかさ
ひとつところに集まったり
吹き散らされたり
集合や解散を繰り返す
運動会の練習のようだ
空いたブランコで戯れて
可愛い足跡を消してしまおうか
豊穣を付き従えて秋は
誇らし気に往くがいい
でも巻き上げた風で
かいぬしの裾にもぐりこむのは
遠慮してよね
そこはぼくの場所なんだよ
オンコの実赤く赤い
舌に絡みつくよな甘さをおぼえてるよ
ねっとり糸をひくような
濃厚な甘さの奥の種には
毒がある
知っていながら食べてみるこどもの好奇心
耳に心地よい甘い言葉にも
同じく毒がひそんでいる
知っていながら呑み下してる大人の猜疑心
オンコはイチイの木です