その高級なcafeではね
いかにもな風情の
芸術家さんが
自分の理念を熱く語っていたの
暮れ行く街の美しさ
終わってゆく今日という時間を
お見送りしてゆく空
真の芸術って何かしら
知った振りしてる奴らがどうとかこうとか
バッハの話は瞬間興味をひいたけど
ちょっぴりうるさかったから
かいぬしの思いは
窓から彷徨いでて
またひとつまたひとつ
ともってゆく
街の灯りをかぞえていたの
真のぶんちょの造形美がわからなくても
たぶんぶんちょをにぎっていればいい
掌の中の小さな命の愛おしさに
あなたは完敗する
小さな僅かな鼓動を
その手に感じ取るとき
あなたは感慨に押し流される
宇宙を構成する
おそらく
孤独のあんばいの完璧さに