ある夏の日に
間違った列車に乗りました
他に誰もいない車両で
規則正しく並んだ座席に
もしゃもしゃと咀嚼されました
交通安全の黄色い旗も
線路脇のひまわりも
耳にかけた髪の毛の先も
汗ばんだ足を隠す裾も
そよいでいました
暑さで陽炎
仄暗いほどの濃さの緑
どこまであつくなりますかたいよう
けっきょく
いのちを奪うのがたのしいんだ
べたりとはりついたかなしみは
むだに生きながらえて
そこだけかたくなに
そよがずにいます
のどのおくがいつもへんです
そこでころされているものがあるからです
からだの内側はもう
しがいでいっぱいです
まもなく平和です
そう告げたきり列車は
もう何十年もずっと
止まることがありません
それとも夢でも見ていて
乗り過ごしてしまったのでしょうか
平和の先を知りません
止まらない揺られて
からだから死がこぼれおちそうです
今年は異常に暑い...
去年は一度もエアコンを使わずに過ごせたのに
今年は大活躍
かいぬしも少し体調をくずしています
ぼくらの早朝リサイタルで
かいぬし寝不足なの?!
4時半はさすがに早かったかな...
ぷぴっ