靴がだいなしでもかまわない
雨がはいりこんで
鞄の中の本が濡れても
まあゆるしておくよ
でもどうか
ちいさな翼たちが休む枝のあたりでは
手加減願います
冬を歓迎できない気持ちにそえば
秋にひょいと足をかけて
転ばせてやりたいくらいだ
のろのろと手当てするふりして
おひきとめするんだよ
あんまりクリアな青空も
放射冷却で朝が冷えすぎる
雲はほどよく蔽いの役目をはたし
地表から見えない手がいくつものびて
昼のぬくもりを大事に抱え込んでいてほしい
ちいさな翼たちが身を寄せ合って
夜をしのぐあの枝のあたりでは