ねずみいろねずみいろ

f:id:bunchosparrow:20200725105943j:plain

ねずみいろねずみいろ

地味でくらいねずみいろ

お空を重くするねずみいろ


でも今は

ぶんちょいろぶんちょいろ

ぼくのいろ

艶やかに光沢のある

ぼくの羽のいろ

繊細で精巧なぼくの羽

完璧で完全なぼくの翼



ぶぶぶとはばたいて

ぼくの翼はちいちゃな風を作り出す

ちいちゃな風が

かいぬしの前髪をめくったら

眉毛がなかったよ

ぷぷぷ( ´ ▽ ` )

ぼくぶんちょです!

f:id:bunchosparrow:20200724081446j:plain

真っ赤なくちばし

真っ赤なアイリング

これはぼくの血の色

ぼくの中に流れている

ぼくのいのちの色


その小さな小さな流れは

ぼくの細胞ひとつひとつに叫ばせる

「ぼくぶんちょです!」

細胞のひとつひとつが

問いかけに答えている

「ぼくぶんちょです!」


一滴の水が

自分が大河の一部分であることを知る様に

1枚の葉が

自分が森の一部分であることを知る様に

ぼくは答えを知ってるよ

水浴び日和

f:id:bunchosparrow:20200723090425j:plain

夏の雲もくもくと

絞り出したクリームみたい

もこもこと


食べちゃいなよ かいぬし

もぐもぐと

おなかへってるでしょ

ぎゅるるぎゅわわ


ミルクティーがアイスティーに交代したら

グラスにはぽつぽつ滴が踊る


かこんかこん

ぷるる

ぱしゃぱしゃ

ぶるるるるる

ぼわわ


ぼく尾羽でドルフィンキックして

かえたての水で泳いできた

薔薇さんさよなら

f:id:bunchosparrow:20200722134415j:plain

「わたくしをご覧になって」と

勝ち誇っていた薔薇を見にゆくと

艶やかなビロードのようだった花弁は

悪意なき陽に焼かれて

すっかりくしゃくしゃ赤茶けて

静かにうなだれていた


きみはきみの1番よいときを

無駄遣いしなかったのだ

傲慢なほどの勝気さで

自身の在り様を誇るのは

間違いではなかったのだ

だってきみは薔薇だもの


いつかぼくらもそう思うんだ

あの頃ぼくらはなんて美しかったのだろうと

その美しい時を

惜しみなく使い切ったんだと

お昼寝

f:id:bunchosparrow:20200721145410j:plain

かいぬしが寝たふりして

目を瞑ると

ぼくもちいちゃな貝なような

まぶたを閉じて

眠ってしまう


でもそこにいるよね?

かいぬしいるよね?

って時々片目をあけて確認するんだ


そしたらかいぬしも片目でぼくを見ていた


ぼくたちは弱くなってはいない

世界のほうが勝手に

凶暴化しただけ


かいぬし

手の痺れをがまんしているな

ぼくもうんこをがまんしているんだよ


でももうちょっとここでぼく

お昼寝しておく




おこりんぼ星人再び

f:id:bunchosparrow:20200720173752j:plain

ほんじつは晴天なり

ほんじつもおこりんぼ星人襲来なり


しかも今日のやつは

追尾システム搭載だったから

なかなかのしつこさだった


ぼくのかいぬしにしつこくするなよ

その毒ばかり吐く口に

消毒剤流しこんでやるぞう

    このやろこのやろ

きゃるるるる

ぼくリモート参戦しようとしたんだけど


かいぬし

「こんな時用の笑顔」を装着して

さらりと撃退しちゃった


かいぬし帰ってきたら

たくさん遊んであげなきゃ( ´ ▽ ` )


ちょびひげ発生

f:id:bunchosparrow:20200719194046j:plain

換羽が終わってみたら

喉の下に白ひげがはえてきた

あたまのうしろにも一本だけ

白い羽あるんだって

ぼく見えないけどね


白いちょびひげ

こないだお医者さんにもすてきねって

ほめられたやつ


あの独裁者みたいだとは言わないでよ

それは笑えない


あの喜劇王みたいだって

それならかっこいいな


下ばかりみていたら

虹を探し損ねるよって

彼は言っていたね


きっとこの空にかかる虹は

どこよりも大きいよ

( ´ ▽ ` )