薔薇さんさよなら

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「わたくしをご覧になって」と

勝ち誇っていた薔薇を見にゆくと

艶やかなビロードのようだった花弁は

悪意なき陽に焼かれて

すっかりくしゃくしゃ赤茶けて

静かにうなだれていた


きみはきみの1番よいときを

無駄遣いしなかったのだ

傲慢なほどの勝気さで

自身の在り様を誇るのは

間違いではなかったのだ

だってきみは薔薇だもの


いつかぼくらもそう思うんだ

あの頃ぼくらはなんて美しかったのだろうと

その美しい時を

惜しみなく使い切ったんだと