お盆

ぼく今日もここ

あちあち

あちあちだけど

でないぞう

            ぷぷぷ

 

    ピリカです

ぼくにぎりぶんちょではありませんけれども

ずうっとかいぬしの手首のとこに

座っていてあちあち!

             ぷぷ

 

 

お盆ですけれども

おばあちゃんのお墓、遠過ぎて行けません

でも

ゆかりのない場所の墓の中に

おとなしくおばあちゃんが

おさまっているわけがないので

行っても仕方ない

 

おばあちゃんのピンクの乙女帯を

浴衣にしめてみました

「つかいなさいつかいなさい」って

笑い声がきこえる気がする

つかいますつかいます

 

公園ではハマナスの実が赤く色づく

海に落ちる夕陽のように

赤く美しいけれど

実際たべるとすっぱすぎて

まったくおいしくない

でもこどもの頃は

他になんにもおやつがなかったから

これをむしゃむしゃかんで

種をそこらへんにぺっと吐き出していたものです

(その後ちょっと歯がきしきしする)

 

 

疑う余地などなく

何もかもすべてが愛だった

そんな人と

過ごした時間があるということが

こどもにとってもどれほど大切なことか

 

それは遠くを照らす灯台なのです

 

背筋をまっすぐにのばし

しっかりとまっすぐと

自分の過去へとまなざしを注ぐことができる

 

あのとき確かに

世界で1番尊い宝物のように

自分は愛されていたのだと

何度でも何度でもそこを光で照らすことで

 

大人になった自分の足下が

揺らぐことなく

立つことができるのです