ナスカの地上絵を描こうとしたら
きみはタコにしちゃったから
吸盤をたくさん描いた
けんけんぱーの丸からきみの笑い声がはみだしてる
その丸はおさかなの口からうまれた
シャボン玉なんだよ
きみとブランコでくつをとばした
軌道をえがいて着地したくつが
明日は晴れだと誇らしげだね
空は遠くなったり近くなったり
きみはシーソーの突端にこしかけて
わたしはシーソーの中央ふきんにこしかけて
互いの重さを調節しあっているとき
これはなんだか人生の長さを調節しあってるみたいだと思った私はまぎれもなく大人だけど
さかあがりで空をけりあげたわたしはこどもだよ
それからきみのかわいいオカメを頭にのせて
すてきな帽子をかぶった貴婦人のようなきもちで
すてきなばんごはんをたべたね
ぎょうざってなんであんなにおいしんだ
この世の謎のひとつだよ
そしてスーパームーンをつかまえにゆく
すこしでも月にちかづこうと
わたしたちは山にのぼったけれど
月はおかくれあそばして
月のお気持ちだけが漂ってる
山のあちこちうろうろと
暗闇を人がさまよってるのは
ゾンビ集団みたいでたのしかったね
きみもちいさなゾンビで
きみのママもわたしもゾンビです
ゾンビは殴りたおされても
むっくりおきあがるのです
今日の夜を3人の思い出にしようよと
きみは言ったからちゃんとおぼえとくよ
これから先なんかつらいできごとが
わたしたちをなぐりにきても
きっとわたしたちはゾンビ式おきあがりを
発動する力があるってこと
帰り道ようやく空が晴れて
月が輝いていたよ
おやすみおやすみ