ぼくがまだもやもやしていたころ
命とさえも呼べない
ただの「現象」でしかなかったころ
もやもや
もにゃもにゃ
漂っていたら
不意に大きな手につかみとられて
「おまえはなにものかね」ってきかれたの
だからぼく
「ぼくはぼくですけど」ってこたえたの
もにゃもにゃ大きな手にこねくりまわされて
「おまえは何がほしいかね」と
きかれたから
「ぼくねずみいろの羽が必要です!」
「ぼくぶんちょですから!」って
たじろぐことなくこたえたの
そんなわけでぼくここ
地球のここ
大好きなかいぬしの街に
狙って不時着したんだよ
ぎゅわわ